睡眠に効果があるアロマの香り
植物の花や葉、果皮、樹皮、樹脂などから有効成分を抽出した揮発性のオイルであるアロマは、心と身体の緊張をほぐし質の良い睡眠へと導いてくれる効果があるといわれています。何かとストレスの多い社会で頑張る人こそ、就寝前には穏やかな気持ちで寝たいもの。ここでは、アロマを使った快眠のコツを詳しくご紹介していきます。
アロマの効果と睡眠の関係性
私たちの嗅覚は、五感のなかで最も感情に働きかける力が強いといわれています。匂いによって昔の記憶が一気に蘇った経験は誰でもあるはず。これは、嗅覚から送られた信号が、大脳辺縁系の情動中枢に伝わったからです。この情動中枢というのは、怒りや喜び、恐れや悲しみといった感情や記憶をコントロールする部分で、匂いの種類によって異なる刺激を受けます。
例えば、眠りを誘う効果のあるラベンダーの香りをかぐと情動中枢は鎮静し、反対に覚醒効果のある柑橘系の香りをかいだ場合には、活性化するといった具合です。一方、自律神経もまた嗅覚から送られた信号によりさまざまな刺激を受けていて、鎮静効果のある香りには副交感神経が活性化され、覚醒効果のある香りに交感神経は活性化されます。つまり、情動神経と自律神経、この二つに働きかけることでアロマは睡眠を促進する効果を発揮してくれるというわけです。
睡眠に効果のある香り
睡眠に効果があるとされる香りは以下の通りです。
ラベンダー
怒りを鎮めて、疲れた心を癒してくれるといわれているラベンダーは、大人はもちろん子供の睡眠障害にもおすすめの万能オイルです。深い眠りを誘うだけでなく、翌日の目覚めをスッキリさせてくれる効果もあります。
シダーウッド
スギ科やヒノキ科の樹木に含まれているセドロールという成分は、スムーズな入眠に導く効果があることが証明されています。私たちがヒノキのお風呂に入ったときに気持ちがリラックスするのも、シダーウッドの成分によるものです。
ローマンカモマイル
古くから民間療法に使われているオイルのひとつで、不安や怒り、緊張、ショック、トラウマ、恐怖といった感情に働きかけて心を鎮静化させる効果があるといわれています。リラクゼーション効果が高く、心地良い睡眠を導くのに適したオイルです。
サンダルウッド
日本でいう白檀(びゃくだん)のことで、日本人にも親しみのある香りのひとつです。ストレスを和らげてリラックスさせる効果があり、揮発性が低いため緩やかな効き目が長く続きます。
アロマの使い方
睡眠を改善する目的でアロマを使う場合には、就寝する1時間ぐらい前から香りを吸入するのが理想的です。コンセントに差し込むタイプのアロマポットやアロマライトなどに数滴のオイルをたらして、ゆっくりと香りが広がるのを楽しみましょう。
アロマキャンドルでも同様の使い方が可能ですが、睡眠時にキャンドルの火をつけたままというのは何かと心配なものです。睡眠時はできるだけ火を使わないタイプのものを選ぶようにしましょう。
コンセントタイプのアロマポットやアロマライトを持っていない場合には、オイルを数滴たらしたハンカチやティッシュを枕元に置く方法でも、香りがしっかりと広がり同様の効果を得ることが可能です。
アロマバスもおすすめ
アロマオイルを湯船にたらして入浴するアロマバスも、睡眠を改善するのに効果的です。鼻からだけでなく肌からも直接オイルの成分を吸収できるため、より高い安眠効果があるといわれています。ただし、アロマバスは直接オイルが肌に触れるため、使用するオイルは人工香料の含まれていない100%天然成分の「精油」を使うようにしましょう。
また、人によっては湯船にたらすオイルの量が多すぎると気分が悪くなることもあるため、最初のうちは必ず少量からスタートさせます。
目安としては一般的な広さのお風呂で2〜3滴程度です。アロマオイルはお湯に溶けないので、入浴する前にお湯を手でよくかき混ぜてオイルを全体に拡散させるようにしましょう。お湯の温度はややぬるめ(38〜40℃)のほうがオイルの成分をしっかりととり込むことができるようです。
アロマは手軽に誰でも始めることができる、安眠対策のひとつです。眠りを誘う効果のあるオイルは何種類かありますので、お気に入りの香りを探してみてはいかがですか?
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